「なんとかなる!」 そういって真っ直ぐ歩いて早五日。 旅のメンバーは疲れていた。 「疲れるの早いわねー。でも、私は健康に良くないから賛成よ」 「意味わかんないよ」 ベルベルさんという魔法使い。見た目はウサギだけど、力はとても強い。 んで、アマランザインのキアラ。 色々な人たちに狙われている。 ヴィリッド(弟)。ヴィリッドは王子様なんだって。すっごいよなー。 俺達は今、キアラのマスターを捜す旅にでているんだ。 「キアラも疲れた?」 俺がキアラに聞くと、キアラは少し迷った表情をして… 「……大丈夫。まだ、歩ける」 小さな声でそう答えた。 「そっか。ヴィリッドは?」 「双葉が平気なら俺も平気」 「…意味わかんないよ」 何故かヴィリッドは俺になついている。 何か最初は変なもん拾ってきちゃったって感じだったけど、さすがに慣れた。 「んー。キアラとベルベルさんはここで待っててよ! 俺とヴィリッドで湖かなんか捜してくるからさ!」 「……うん」 キアラは小さく頷いた。 「ま、とーぜんねー」 うわぁ、ベルベルさん酷ッ 「双葉、あっち行こう」 「え?あっちに湖あるの?」 「多分」 ヴィリッドは俺の手を引っ張って走る。 「わ、わわ、ヴィリッド!そんなに走らなくても良いよ」 「でも、ちょっと遠い」 「…解った…」 双葉はにっこりと笑った。 「…っ……双葉、早くいこっ」 「え!?あ、うん」 俺とヴィリッドは湖まで走っていった。 っていっても遠くて中々たどり着けないんだけどさ。 「…ま、まだあるんだ…遠いんだね」 「んー。そんなにかかるはずはないとは思うんだけど」 ヴィリッドは「おかしいな」とぼそっと言う。 こ、此処にきた事があるのかな? 「あっ…ヴィリッド!あれ!!」 俺が向こう側へと指をさす。 其処には綺麗な湖があった。 「…本当だ。双葉、行こう」 「うん」 湖へとたどり着いた。 うわぁー……凄く綺麗。 なんていうか、水が透き通っていて下が見える。 「ヴィリッド…これに水いれよ」 容器みたいなものを取り出して其処に水を入れた。 つるっっ 「わ!」 二つあった容器の一つが湖の中へ。 「落ちた――――っ!!!」 「誰?騒がしいのは・・」 湖の中から人魚なるものが出てきて…。 って…ええ―――――!? 「に、にん・・!?」 「私は人魚ではないわ…」 人魚じゃない?じゃあ、誰っっっ 「貴方が落としたのは・・・・何?」 「何……って?」 落としたのは……って…何かそれ……。 「貴方は今落としたでしょう?それは、何?」 「双葉」 え? 「双葉」 「……それは、誰?」 「ヴィリッド!俺じゃなくて容器!」 俺まだ湖に落ちてないよ〜〜〜〜っ! 「あ、そっか」 「正直者にはちゃんと、返しましょう。はい」 「あ、ありがとう。貴方は…えと、何?」 何っていうか…こう、なんなのかなーって思って。 「湖の精霊…それだけ」 そういうと『湖の精霊』は湖の中に去っていった。 「…ありがとう、湖の精霊さん」 俺はお礼だけいって、ヴィリッドと一緒にベルベルさんの所へと戻っていった。 どんな反応なのか……どんな反応だと思う? 「遅い」 …やっぱり、こうなるわけ? 「何時まで道草してんのよ?遅いじゃない。 大体乙女をまたせつなんてなんていう礼儀知らず?」 (ベルベルさん!?) でも、こんな寄り道。 ちょっとは面白くて、いいかもしれない。 「何笑ってんのよー?」 「え!?なんでもないっ」 こんな風な、寄り道だったら……良かったのに。 「ふーたーばーっ」 「うわ!?ヴィリッド!?」 ====================== 後書き☆04年04月02日 ====================== やっと書き終わった――――! 10万hit記念なのにもう12万行こうとしている!? こんな「その向こうの向こう側」はいかがだったでしょう? 感想くださると飛んで喜びます☆ ちなみにこの後は…ブレイド5月の結果に続いたり?(笑/キス、ね) 因みにこれには色々なプロットがありました(笑) その中の一つですが、どうだったでしょうか・・?(どきどき) |